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相続サポートセンターレポート

不動産譲渡所得税について

2016年06月01日

前回の「不動産取得税」に続き、今回は「不動産譲渡所得税」の概要と特別控除について説明させて頂きます。

 

不動産を売って代金を受け取ると、譲渡所得(売却代金から取得費・譲渡費用・特別控除額を差し引いた金額)に対して、他の所得と分離して、譲渡所得税と住民税が課税されます。

 

具体的な税額については、下記計算式のとおりです。

売却代金-取得費-譲渡費用-特別控除額=譲渡所得金額(A)

【所有期間が5年以下の短期譲渡の場合】

(A)×30.63%(復興特別所得税を含む) =譲渡所得税額

(A)×9%=住民税

【所有期間が5年を超える長期譲渡の場合】

(A)×15.315%(復興特別所得税を含む)=譲渡所得税額

(A)×5%=住民税

※取得費:不動産の購入代金、建築代金、購入手数料、設備費、改良費など

但し、建物については購入代金等から減価償却費相当額を差し引いた金額

 ※譲渡費用:不動産仲介手数料、建物解体費用など売るために直接かかった費用

 

譲渡所得はあくまで「儲け」を意味しますので、仮に、不動産の売却代金が高額な場合であっても、取得費・譲渡費用の合計額が売却代金を上回っていれば、譲渡所得はゼロとなり、その結果、譲渡所得税はかかりません。

反対に、取得費・譲渡費用が少ない場合、例えば、先祖代々の古民家等の場合は、マイホーム売却3000万特別控除(以下「マイホーム特別控除」といいます。)等によって譲渡所得を減らすことができなければ、譲渡所得税は相当な負担となります。

 

マイホーム特別控除が適用されるためには、自分が住んでいる建物を売却すること、または退去してから3年目の年の12月31日までに売却することが要件のひとつです。

よって、古民家に住んでいる所有者本人が売却するとき、または所有者本人と同居していた相続人が、所有者本人の死亡後に新所有者となり売却するときは、適用の可能性がありますが、所有者本人が最後まで独り暮らしだった古民家については、相続人が自宅として住むことができなければ、マイホーム特別控除の適用を諦めざるを得ません。

「自宅として住む」という要件は、住民票の一時的な異動や、仮住まい等ではなく、当該建物を生活の本拠として実際に住むということが重要です。

マイホーム特別控除が受けられなければ、「相続した古民家を売ると譲渡所得税が高いから売らない」と思う相続人も少なくないでしょう。

 

そこで、古民家の空き家対策として、所有者本人が最後まで独り暮らしだった古民家の売却については、下記要件をすべて満たす場合、マイホーム特別控除を拡充して適用する特例「空き家に係る譲渡所得の3000万特別控除の特例」が、平成28年4月1日からスタートしました。

古民家の中でも、特に、空き家になりそうな場合に限定して適用されるため、かなり厳しい要件ですが、前述のとおり取得費の少ない古民家の売却については、この空き家3000万特別控除の適用の有無によって譲渡所得税額に大きな差が生じます。

なので、各要件につき慎重に判断しなければいけません。

また、空き家3000万特別控除が適用されない古民家についても、今後の売却を再検討する良い契機になればと願います。

 

(空き家に係る譲渡所得の3000万特別控除の要件)

1. 相続開始まで被相続人が自宅として独り暮らしで、相続により空き家になったこと

2. 昭和56年5月31日以前に建てられた旧耐震基準の家屋

3. マンション等の区分所有建物でないこと

4. 相続から売却まで空き家であること(事業用、貸付用、居住用に供されていないこと)

5. 建物を解体して更地を売却、又は耐震改修を行い新耐震基準適合建物として売却

6. 売却額が1億円を超えないこと

7. 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却

8. 平成28年4月1日から平成31年12月31日までの売却

9. 行政から要件を満たす証明書の発行を受け、確定申告書に添付すること

カテゴリ : 不動産 節税

筆者紹介

酒井 謙次
酒井司法書士事務所 所長

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 本業である登記手続きについては勿論のこと、関連知識を必要とする場面においても、弁護士、税理士、土地家屋調査士等の専門家と協力し、迅速かつ丁寧・正確をモットーに、安心してお任せいただけるよう心がけ、不動産の登記(売買、相続、担保設定)および会社法人登記を柱として、専門性の高い業務に努めるとともに、 高齢化社会によって今後増加する成年後見、遺言作成等の業務についても幅広く取り組んでいます。

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